ミッドライフクライシスとは?40代男性の乗り越え方

朝日に照らされた草原と分かれ道 キャリア戦略

「最近、仕事へのやる気が出ない」「このまま今の会社にいて、何が残るんだろう」——40代に入ってから、そんな気持ちが頭から離れない。周りには言えないけれど、朝起きるのがしんどい。もしあなたがそうなら、それは「ミッドライフクライシス」と呼ばれる状態かもしれません。

私は営業を22年続けて、40代で独立した人間です。えらそうに語れる立場ではありません。むしろ、この危機に思いきり飲み込まれた側です。この記事では、調べてわかった一般的な知識と、私自身に実際に起きたことを分けながら、等身大でお話しします。

ミッドライフクライシスとは?40代男性に多い理由

調べてみると、ミッドライフクライシスとは40〜50代を中心に訪れる心理的な停滞や揺らぎのことで、「中年の危機」とも呼ばれます。最近の調査では、40代・50代の働く人のおよそ2人に1人が「自覚がある」と答えたという結果もあり、決して珍しいものではありません。

特に男性の場合は、仕事や社会的な立場に関する悩みが中心になりやすいと言われます。出世の行き先が見えてしまった。体力が落ちてきた。親の介護が現実味を帯びてきた。子どもの教育費はこれからが本番。積み上がった荷物の重さに、ある日ふと「おれの人生、これでよかったのか」という問いが割り込んでくる。それがこの危機の正体です。

自分だけがおかしいわけではありません。多くの同世代が、同じ場所で立ち止まっています。

私の場合:朝、玄関で足が止まった

一般論だけでは伝わらないと思うので、私に起きたことを書きます。

会社を辞める1年ほど前から、心と体がはっきりとしんどくなっていました。朝、スーツを着て玄関まで行くのに、そこで足が止まる。自転車でたった2kmの通勤が、やけに遠い。そして決定打は12月の人事でした。自分に出世の道がないことが、はっきりわかったのです。

年が明けた1月に独立を決意し、2月に妻に切り出しました。結果は猛反対。離婚という言葉まで出ました。それでも当時の私は「もう辞めなきゃ壊れる」というところまで来ていました。あのときの夜のことは40代で出世できないとわかった夜、私が考えたことに詳しく書いています。

いま振り返れば、あれはミッドライフクライシスのまっただ中でした。当時は名前も知りませんでしたが、名前を知っているだけで「これは多くの人が通る道なんだ」と少し冷静になれたはずだと思うのです。

壊れる前に、立ち止まっていい。

40代男性がミッドライフクライシスに陥る3つの原因

原因1:キャリアの「天井」が見えてしまう

20代・30代は「まだこれから」で走れます。しかし40代になると、会社の中での自分の行き先がだいたい見えてしまう。私のように人事で突きつけられる人もいれば、なんとなく察してしまう人もいる。「頑張れば報われる」という前提が崩れる瞬間は、想像以上にこたえます。

原因2:体の変化がやる気を奪う

疲れが取れない、眠りが浅い、朝がつらい。40代男性の不調には、男性ホルモンの低下が関わっている場合があると言われます。気持ちの問題だと思い込んで放置すると、余計に自分を責めることになります。心当たりがある方は40代男性の更年期、なぜ誰にも相談できないのかも読んでみてください。

原因3:他人のモノサシで生きてきた限界

役職、評価、同期との比較。40代までの私たちは、他人のモノサシで自分の価値を測ることに慣れすぎています。そのモノサシで測れる点数が頭打ちになったとき、自分の中に何も残っていないことに気づく。これが一番深い原因ではないかと、私は自分の経験から感じています。

危機の正体は「老い」ではなく、「借り物のモノサシ」が測れなくなったことです。

乗り越え方:私が少しずつ楽になった方法

先に正直に言うと、私は独立という荒っぽい方法を選び、いまも胸を張って「稼げています」とは言えません。独立して1年、受注はまだ1件で、何百回も心が折れました。それでも、確実に楽になったことがあります。

一つ目は、気持ちを言葉にすることです。妻に切り出したときは猛反対されましたが、あの衝突がなければ、私は自分の本音——家族のためと言いながら、実は自分勝手だったこと——に気づけませんでした。言葉にして初めて、自分が何に苦しんでいるのかが見えてきます。

二つ目は、自分のモノサシに戻すことです。この1年で一番変わったのは、収入でも肩書でもなく、「他人軸から抜け出せてきた」ことでした。誰かに認められるためではなく、自分が納得できるかで一日を測る。時間はかかりますが、これが効きます。

三つ目は、一人で抱えないことです。一般的にも、信頼できる人や専門家に話すことが有効とされています。体の不調が続くなら病院へ。心が限界なら、カウンセリングをためらう必要はありません。

出口は、他人のモノサシを手放した先にあります。

今日からできる小さな一歩

大きな決断は要りません。まずは10分、モヤモヤを紙に書き出してみてください。「何が嫌なのか」「本当はどうしたいのか」。頭の中で回っているだけの不安は、紙の上に出すと意外と小さく見えます。

次に、お金の現状を数字で見ることです。不安の何割かは「よくわからない」から膨らんでいます。私は家計を見直したことで、気持ちの余裕がまるで変わりました。もし働き方を変えることまで視野に入れるなら、フリーランス独立前のお金の準備を先に読んでおくと、判断の材料になるはずです。

危機を止めるのは大きな決断ではなく、今日の小さな一歩です。

まとめ:ミッドライフクライシスは「見直しの合図」

ミッドライフクライシスは、40代男性の多くが通る道です。それは故障ではなく、「そろそろ自分のモノサシで生きないか」という人生からの合図だと、私はいま思っています。焦って会社を辞める必要はありません。私のような選び方をしなくても、書き出すこと、話すこと、数字で見ること——小さな一歩から見直しは始められます。

立ち止まったあなたは、壊れているのではありません。ちゃんと、変わろうとしているのだと思います。

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