「40代にもなって、どうして自分はこんなに要領が悪いんだろう」。そう感じて、この記事にたどり着いたのかもしれません。同じ仕事なのに、周りより時間がかかる。何度も確認しないと不安で、一度で終わらせられない。若い後輩のほうがサッと片づけていくのを横目に、自分だけがいつまでも遅れている気がして、静かに落ち込む。誰にも言えないまま、家に帰ってため息をつく。
その気持ち、痛いほどわかります。私は営業の仕事を約22年やってきましたが、最初の1〜2年はまったく結果が出ませんでした。上司に怒られ、夜も眠れない日が続いて、「自分は人よりできない人間なんだ」と本気で思っていました。だからこの記事では、要領が悪いと悩む40代の方に向けて、その悩みの正体と、それでも私が仕事を続けてこられた理由を、等身大でお話しします。
要領が悪いのは、あなたの性格の欠陥ではありません。
40代で「要領が悪い」と感じる悩みの本質
まず知っておいてほしいのは、40代で「要領が悪い」と感じる苦しさは、多くの場合スピードそのものの問題ではない、ということです。本当につらいのは、遅いこと自体よりも、「遅い自分はダメだ」と自分で自分を責め続けてしまうことのほうです。
40代になると、周りは自分の仕事だけをしていればいい立場ではなくなります。後輩の指導、上司と現場の板挟み、家庭の事情。集中したいのに割り込みが多く、一つのことをじっくり進める時間そのものが削られていきます。そんな状態で「若い頃と同じ速さ」を自分に求めれば、遅く感じて当たり前なのです。要領の悪さのように見えているものの中には、環境のせいで生まれている遅さがかなり混ざっています。
私自身、頼まれると断れず、あれもこれもと抱え込んで、結局どれも中途半端になって時間を溶かす、というのを何度も繰り返してきました。その抱え込み癖と、数字を使って抜け出していった話は頼られすぎて抱え込む40代へ|数字に助けられた話にも書いています。よかったら、こちらも読んでみてください。
遅いことより、遅い自分を責めることのほうが、あなたをすり減らしています。
「人より時間がかかる」と感じてしまう3つの原因
では、なぜ40代で「自分は要領が悪い」と強く感じてしまうのか。私が自分を振り返って思い当たる原因を、3つに整理してみます。
原因1:丁寧さを「遅さ」と勘違いしている
要領が悪いと悩む人の多くは、実は雑にできないだけです。確認を怠らない、相手の気持ちまで考える、抜けがないか何度も見直す。これはスピード勝負では不利に見えますが、信頼を積み上げる場面では大きな強みになります。速い人が取りこぼす細部を、あなたは拾えているのかもしれません。
原因2:他人のものさしで自分を測っている
「あの人はもっと早い」「自分なんて全然できていない」。この比較が、要領の悪さを実際以上に大きく感じさせます。私は子どもの頃、運動も勉強も苦手でいじめられた経験があり、「認められたい」という気持ちが人一倍強いまま大人になりました。だからこそ、常に誰かと比べて、勝てない自分に落ち込みやすかったのだと思います。この他人軸のしんどさは、40代の多くの人が抱えているものです。
原因3:成果が出るまでの時間差を「無能」と決めつけている
成長のスピードは人によって違います。すぐ結果を出せる人もいれば、じわじわ積み上げて後から伸びる人もいる。ただ、成果が出るまでの時間が長いだけなのに、その途中の自分を「無能」と決めつけてしまうと、伸びる前に心が折れてしまいます。私も、まさにこの時間差の中で何度もあきらめかけました。会社で出世できないと突きつけられた夜のことは、40代で出世できないとわかった夜、私が考えたことに正直に書いています。
あなたは無能なのではなく、結果が出るまでの時間が人より少し長いだけかもしれません。
要領が悪い私が、それでも22年続けられた理由
正直に言うと、私は特別な才能で乗り越えたわけではありません。営業3年目あたりから、ようやく数字がついてくるようになりました。1〜2年目は本当にダメで、続けられたのは「ここで辞めたら、できないまま終わってしまう」という、半分意地のような気持ちだけでした。
その意地で時間をかけているうちに、少しずつ気づいたことがあります。要領のよさで一気に取る信頼と、時間をかけて積み上げる信頼は、質が違うということです。私はお客さんに、すぐ結果を返せる営業ではありませんでした。でも、何度も足を運び、細かい相談に付き合っているうちに、「この人はちゃんと向き合ってくれる」と思ってもらえるようになった。時間をかけて勝ち得た信頼は、簡単には崩れません。今振り返ると、それが自分にとって一番の財産になっています。
この「時間がかかる」という自分の癖は、40代で独立してからも変わりませんでした。採用コンサルタントとして動き出しても、最初の半年はほとんど何も分からず、成果らしい成果も出ませんでした。9ヶ月目くらいから、ようやくそれまでバラバラだった点が線になってきた感覚があります。受注はまだ多いとは言えませんし、要領よく一気に、とはいきません。それでも、遅いなりに続けているうちに、少しずつ前に進んではいる。人より時間がかかる自分を、もう昔ほどは責めなくなりました。
解決の方向は、要領のよさを目指して速く動くことではありません。遅さを責めるのをやめて、あなたの丁寧さが効く場所を選ぶこと。ここに尽きます。速さで勝てない土俵で戦い続けるから苦しいのであって、積み重ねが評価される場所に立てば、あなたの遅さは強みに変わります。
速さで勝てないなら、崩れない信頼で勝てばいい。
今日からできる、要領の悪さとの向き合い方
気持ちの持ち方だけでは、明日からの仕事は変わりません。私が実際にやってみて、少し楽になったことを、今日からできる小さなアクションとして挙げておきます。
- 他人と比べるのをやめて、「昨日の自分」だけと比べる。一つでもできたことをメモに残す。
- 抱え込みそうになったら、全部やる前に「一番大事なのはどれか」を一つだけ選ぶ。
- 速さで評価されない仕事は、あえて丁寧さで印象を残す。連絡の早さや誠実さで信頼を積む。
- 今日やり切れなくても、「時間がかかっているだけ」と口に出して、自分を責める言葉を止める。
特に効くのは、小さな達成を目に見える形で残すことです。要領が悪いと悩む人は、できなかったことばかり数えて、できたことを一瞬で忘れてしまいます。ノートでもスマホのメモでもいいので、「今日これはやれた」を一行残す。それを一週間分ながめると、思っていたより自分は動けている、と気づけます。
それでも朝がしんどくて体が動かない日もあると思います。私も今でもそういう朝があります。そんな朝との向き合い方は40代で朝がしんどい原因と、私が向き合う方法に書いたので、しんどい日はこちらも覗いてみてください。
まとめ:要領の悪さは、時間をかけて強みに変えられる
40代で要領が悪いと悩むのは、あなたが真面目に、丁寧に仕事と向き合ってきた証でもあります。速い人が取りこぼす細部を拾えること、時間をかけて崩れない信頼をつくれることは、40代からのほうがむしろ効いてきます。
私は営業22年、そして1年前に独立して、今は採用コンサルタントとして企業側の支援をしています。相変わらず要領がいいとは言えませんし、独立してからも何百回と心が折れました。それでも、遅くても続けてきたことだけは、確かに自分を裏切りませんでした。要領の悪さは、消すものではなく、活かす場所を選ぶもの。今日から、昨日の自分だけと比べる一歩を、一緒に始めていきましょう。
毎日の気づきはnote(https://note.com/charm_phlox2885)とInstagram(https://www.instagram.com/otto_3988/)でも発信しています。


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