ある朝、目が覚めても体が重くて、布団から出るまでにかなり時間がかかる。
「歳かな」と思いつつ、気合いで仕事に向かう。でも以前より集中できない、些細なことでイライラする、夜は眠れているはずなのに疲れが抜けない。そういう状態が続いていませんか。
私自身、独立前の1年間、朝が本当につらかった。玄関で靴を履きかけたまま、しばらく動けない朝が何度もありました。当時は「仕事のストレスかな」と思っていましたが、後から調べてみると、40代男性が感じやすい「男性更年期」の症状と重なる部分が多くて、少し驚きました。
診断を受けたわけではないので断言はできません。ただ、「男性更年期なんて自分には関係ない」と思っていた私が、同じような症状で悩んでいる人が多いことを知って、これは書いておくべきだと思いました。
男性更年期とは?40代男性に起きていること
男性更年期は、医学的にはLOH症候群(加齢性腺機能低下症)と呼ばれます。
女性の更年期は広く知られていますが、男性にも同じように、加齢に伴いホルモンバランスが変化する時期があります。その主役がテストステロン(男性ホルモン)の低下です。
テストステロンは20代をピークに、年齢とともに少しずつ下がっていきます。40代になると、その変化が体や心にじわじわと影響を与え始めます。女性の更年期と違うのは、症状が急激ではなく「なんとなく最近調子が悪い」という形でじわじわ現れる点です。
「気合いが足りない」じゃなくて、ホルモンの問題かもしれない。
これを知っておくだけで、自分を責めずに済む。まずそこから始めましょう。
40代男性 更年期の症状チェックリスト
以下の症状、当てはまるものはありますか?
体の症状
- 朝起きるのがつらい、疲れが抜けない
- 体のだるさ、疲労感が続く
- 肩こり・腰痛が慢性化している
- 性欲の低下を感じる
- 汗をかきやすくなった、ほてりがある
心の症状
- 些細なことでイライラしやすくなった
- やる気・気力がわかない
- 気分が落ち込む日が多い
- 以前楽しかったことに興味が持てない
- 集中力が続かない
睡眠・生活の変化
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 夜中に目が覚める
- お酒の量が増えた
- 人との関わりが面倒になってきた
一般的には、これらのうち3つ以上当てはまる場合は、男性更年期の可能性を念頭に置いておいた方がいいと言われています。
ちなみに、睡眠の変化については別の記事でも詳しく書いています。合わせて読んでみてください。
男性更年期になりやすい3つの原因
① テストステロン(男性ホルモン)の低下
これが最大の原因です。テストステロンは筋肉量・気力・性욕・骨密度など、男性らしさを支えるホルモン。加齢による低下は避けられませんが、ストレスや睡眠不足がこれを加速させると言われています。
「仕事が忙しい40代」「家族のために走り続けてきた40代」は、特に注意が必要かもしれません。
② 慢性的なストレスの蓄積
40代は仕事・家庭・親の老い・お金など、ストレスの種が多い時期です。ストレスホルモン(コルチゾール)が高い状態が続くと、テストステロンの分泌が抑制されるという関係があります。
私が独立前にしんどかった時期は、まさにストレスが慢性化していた時期でした。心当たりがある方は多いのではないでしょうか。
③ 睡眠の質の低下
テストステロンは主に睡眠中に分泌されると言われています。寝つきが悪い・眠りが浅い・夜中に目が覚めるという状態が続くと、ホルモンの回復が追いつかなくなります。
体力の低下を感じているなら、ホルモン低下との関係も確認してみてください。
男性更年期、放置するとどうなる?
「少し疲れているだけ」「気合いでなんとかなる」と思って放置し続けると、症状は悪化しやすくなります。
よく聞くのは、うつ病と間違われるケースです。男性更年期の症状はうつ病と似ており、うつ病の治療を受けても効果が出ない……という話は珍しくありません。治療の方向性が変わるため、早めの受診が重要です。
「自分がおかしいのか」と一人で抱え込む前に、まず確認することが大事。
また、男性更年期の症状は「誰にも相談できない」と感じやすい性質を持っています。40代男性特有の孤独感については、別記事でも書いています。
男性更年期は何科に行けばいい?
まず受診する科として挙げられるのが泌尿器科です。男性更年期(LOH症候群)の診断・治療を専門としている科として、多くのクリニックで対応しています。
また、内科や心療内科でも相談を受け付けているところがあります。かかりつけ医がいれば、まずそこに相談して専門科を紹介してもらうのも一つの手です。
受診の際は、「どんな症状がいつ頃から続いているか」を整理してメモしておくと、医師にも伝えやすくなります。
今日からできる、男性更年期の対処法
1. 睡眠を整える
まずは睡眠から見直しましょう。就寝・起床時間を一定にすること、就寝1時間前のスマホを控えること、寝室の温度・暗さを整えること。地味に見えますが、テストステロン分泌の土台になります。
2. 筋トレを取り入れる
調べてみると、筋トレ(特に大きな筋肉を使うスクワットやデッドリフトなど)がテストステロンの分泌を促すという研究があります。週2〜3回、20〜30分でも続けることが大事です。ジムが難しければ、自重スクワット10回×3セットから始めるだけで変わります。
3. ストレスをため込まない仕組みを作る
特効薬はありません。ただ、「自分のストレスに気づく習慣」を持つことが第一歩です。毎晩「今日しんどかったことを3つ書き出す」だけでも、頭が少し整理されます。
私が独立後に少しずつ変わってきたのも、他人の評価を軸にするのをやめる意識の変化がきっかけでした。しんどさの根っこが「誰かの目が気になって無理をしている」ことにある場合、ストレスの種を減らすことが更年期対策にもつながります。
4. 飲酒を見直す
アルコールはテストステロンの分泌を抑制するという指摘があります。お酒が増えている自覚があれば、量を減らすか、休肝日を意識することが対策になります。
5. 受診して血液検査を受ける
血液検査でテストステロン値を調べることができます。数値が明確になると「気合い不足ではなかった」と納得できることもあります。受診のハードルを下げるために、まず「情報収集のため」という気持ちで行ってみることをおすすめします。
まとめ:「しんどい」に理由があると知ることから始まる
男性更年期は、弱さではありません。加齢という自然な変化に、仕事・家庭・ストレスが重なることで誰にでも起こりうるものです。
「朝しんどい」「やる気が出ない」「イライラする」という状態が2週間以上続いているなら、一度立ち止まって自分の体を確認する時間をとってみてください。
しんどさに名前がつくと、次の一歩が踏み出しやすくなる。
私自身、あの頃のしんどさに向き合えていたら、もう少し早く楽になれたかもしれないと思うことがあります。今しんどいあなたに、まず「一人で抱え込まなくていい」と伝えたいです。

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