役職定年で年収はどれだけ下がる?50代の備え方

役職定年で年収が下がり頭を抱える50代男性 キャリア戦略

「あと数年で役職定年。そのとき、給料はいくら下がるんだろう」——50代に入ると、ふとした瞬間にこの不安がよぎる方は多いと思います。私自身も採用の現場で、役職定年を迎えた方が静かに肩を落とす姿を何度も見てきました。

先に結論をお伝えします。役職定年は「いつか来るかも」ではなく「制度として高い確率で来る」ものです。だからこそ、慌てる前に手を打てます。この記事では、年収がどれだけ下がるのかという現実と、50代の今からできる備えを、できるだけ具体的にお話しします。

役職定年とは何か、何歳で来るのか

役職定年とは、一定の年齢になると管理職の役職を外れ、専門職や一般職に移る制度です。大手企業を中心に、1000人以上の企業の約5割が導入しています。

開始年齢でいちばん多いのは55歳。部長級で約4割、課長級で約5割の企業が、55歳を役職定年のタイミングにしています(出典:転職Hacks、マネーフォワード クラウド)。

つまり、50代前半は「あと数年で役割が変わる」前提で家計とキャリアを考えるべき時期なのです。ここを「まだ先の話」と先送りにすると、いざ来たときに選択肢がなくなります。

年収はどれだけ下がるのか——9割が減収という現実

ここが一番気になるところだと思います。データははっきりしています。

役職定年にともない、全体の90%以上の人が年収ダウンを経験しています。下がり幅は、役職定年前の50%〜75%になる人が最も多い。さらに、25%〜50%まで下がったという人も3割ほどいます(出典:ダイヤ高齢社会研究財団の調査をもとにした解説、ダイヤモンド・オンライン)。

具体的な企業例では、大手でも最大30%程度の減少となったケースが報じられています。

数字だけ見ると気が重くなりますが、大事なのは受け止め方です。役職定年は「あなたの評価が下がった」のではなく、「会社の制度がそうなっている」だけ。ここを切り分けないと、必要以上に自分を責めてしまいます。

なぜ50代の減収はダメージが大きいのか

50代は、住宅ローンが残り、子どもの教育費もまだかかる家庭が多い時期。収入が下がるタイミングと、お金が一番出ていくタイミングが重なるのが、50代の減収のいちばん苦しいところです。

また、役職定年は就業規則に書いてあっても、面と向かって説明されることは少なく、多くの人が「気づいたら来ていた」と感じます。さらに、減収を「受け入れるしかない」と思い込むと、社内での処遇しか見えなくなり、副業・転職・独立という外のカードを最初から外してしまいがちです。

50代の今からできる、具体的な備え

まず、自分の会社の役職定年制度を就業規則で今日確認すること。何歳で、どのくらい下がるのか。事実を知るだけで、漠然とした不安は半分になります。

次に、減収後の家計を一度シミュレーションすること。年収が今の70%、50%になったら毎月いくら足りないか。数字にすると、必要な準備額が見えます。

そして、収入の柱を会社の外にも1本つくり始めること。いきなり独立でなくていい。小さな副業や、自分のスキルの棚卸しから。50代の安心は、給料1本ではなく複数の細い柱でつくるものです。

まとめ:知っておけば、役職定年は怖くない

役職定年で9割が減収する——これは動かせない現実です。けれど、いつ・どれだけ下がるかを先に知り、家計と収入源を準備しておけば、当日に慌てることはありません。怖いのは役職定年そのものではなく、何も知らないまま迎えることです。

50代はまだ十分に動けます。今日、就業規則を開くところから、一緒に備えていきましょう。

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