会社員時代は当たり前のように審査が通っていたクレジットカード。独立してから急にハードルが上がった気がして、なんとなく不安を感じたことはないでしょうか。
私は22年勤めた会社を辞めて、去年フリーランスの採用コンサルタントになりました。独立してからの1年は、正直まだ稼げていません。受注はまだ1件だけで、何百回も心が折れそうになりました。そんな状態で今さら「クレジットカードの審査、通るのかな」と考えると、地味に胃が痛くなる話です。
会社員という肩書きがなくなった瞬間に、それまで気にもしなかった「信用」というものが急に目に見える形で問われる。これは独立してみて初めて実感したことのひとつです。
今回はその不安の正体を、実際に調べてわかったことを中心に整理してみます。「知らないから怖い」を「知っているから備えられる」に変えるのが目的です。
フリーランスがクレジットカード審査で不利になる本質
結論から言うと、フリーランスだからカードが作れない、というのは誤解です。ただし、審査で見られるポイントが会社員とは違うのは事実です。
カード会社が一番気にしているのは「毎月きちんと払い続けてくれる相手かどうか」です。会社員は給与明細と勤続年数でそれをある程度証明できますが、フリーランスは月によって収入の波があるため、同じ物差しでは測りにくい。審査に落ちるのは「信用がない」からではなく「証明の仕方が会社員と違う」だけ、というのが本質です。
独立して1年、まさに収入が波打っている身としては、この「証明のしにくさ」は肌感覚としてよくわかります。今月は入っても来月はゼロ、という状態を会社員時代の自分に説明しても、たぶんピンと来なかっただろうと思います。
審査が厳しくなると言われる3つの理由
調べてみると、フリーランスの審査が厳しく見られる理由は主に3つに整理できるようです。
理由①:収入の証明が「安定」より「実績」重視になる
会社員は直近の給与で判断されますが、個人事業主は確定申告の所得で見られることが多く、開業したてだと参照できる実績が薄くなります。独立1〜2年目は、この「まだ実績が少ない」フェーズにそのまま当てはまります。
理由②:勤続年数という指標がそもそも存在しない
「何年この会社にいるか」に相当する指標が、フリーランスにはありません。開業届を出したばかりの段階では、カード会社からすると「様子見」の対象になりやすいということのようです。
理由③:支払い遅延への警戒が強い
収入に波があるほど「今月払えないかもしれない」というリスクが上がる、とカード会社は見ます。波があること自体が悪いのではなく、波があっても払い続けられるという証明が別途必要になる、というだけの話です。
「家族に心配をかけたくない」という本音
正直に言うと、私がこの手のお金の話に敏感になったのは、独立を決めたときのことが尾を引いているからだと思います。会社を辞めると妻に切り出したとき、猛反対されました。離婚という言葉まで出たくらいです。あのとき私が本当に伝えたかったのは「大丈夫、なんとかする」だったのに、うまく言葉にできませんでした。
クレジットカードが作れるかどうかは、正直そこまで大きな問題ではないかもしれません。でも「独立したことで家族に迷惑をかけるものが、また一つ増えるかもしれない」という感覚は、あのときの反対の記憶と重なって、思った以上にじわじわ効いてきます。不安の正体は審査そのものより、家族を不安にさせたくないという気持ちの方が大きいのかもしれません。
お金の勉強をして変わったこと
独立してから、お金については人並み以上に勉強してきたつもりです。両学長のリベ大・リベシティで学び直して、家計を見直したら年間で100万円ほど改善しました。今はS&P500とオルカンの積立を続けていて、会社員時代からコツコツ積み立ててきた資産は、ほぼ倍になっています。
クレジットカードの審査という一点だけを見ると小さな話に思えますが、根っこは同じです。「知らないまま不安になる」より「仕組みを知って備える」方が、結局は気持ちが軽くなる。お金の勉強を続けてきて、一番実感しているのはそこです。
独立前後にできる備え
ここは私自身まだ実践の途中ですが、調べた範囲でも「今日からできること」がいくつかあります。
備え①:会社員のうちにカードを作っておく
在職中は勤続年数と給与という強い証明が使えます。独立後に欲しいカードがあるなら、辞める前に申し込んでおくのが一番シンプルな対策だと言われています。私はここを深く考えずに独立してしまったので、今になって「先にやっておけばよかった」と思う項目のひとつです。
備え②:実績が横ばい〜増加傾向になるまで待つ
3年以上の事業実績があり、収入も安定〜増加傾向にあると、審査の通りやすさが変わってくるようです。焦って何社も申し込むより、実績を積む時間そのものが備えになる、という考え方です。
備え③:キャッシング枠は0円に設定する
キャッシング枠を外すだけで審査のハードルが下がるケースがあると言われています。事業用の支払いに使うだけなら、そもそもキャッシング機能は不要なことがほとんどです。
備え④:支払い遅延を絶対に作らない
当たり前のようですが、独立後は入金と支払いのタイミングがずれやすく、うっかり遅延が起きやすい環境になります。ここは会社員時代以上に、意識して守る必要がある部分だと感じています。
備え⑤:落ちても終わりではないと知っておく
調べてみると、審査に落ちた履歴は半年ほどで消え、その後は再度申し込めるようになるそうです。一度断られたからもうダメ、というわけではないと知っているだけで、気持ちの持ち方はだいぶ変わります。事業用の支払いを個人のカードでまとめるか、法人カードを検討するかは、事業の規模や将来の見通しに合わせて選べばいい話で、今すぐ答えを出す必要はありません。
今日からできる具体アクション
- 今使っているカードの利用明細を見直し、事業用と生活用を分けられるか確認する
- まだ在職中の人は、独立前に必要なカードを申し込んでおく
- 独立済みの人は、キャッシング枠の見直しと支払い遅延ゼロの徹底から始める
- 確定申告のたびに「事業の実績」が積み上がっていることを意識する
大きな決断より、今日の小さな確認の積み重ねの方が効いてきます。
まとめ:不安の正体がわかれば、備え方も見えてくる
クレジットカードの審査という一点だけを見ると不安になりますが、根っこにあるのは「収入の波」と「実績の証明のしにくさ」という、フリーランス特有の構造です。構造がわかれば、慌てて何かを諦める必要はありません。
独立して1年、私自身まだ「稼げている」とは言えない状態です。それでも、知らずに不安がるより、仕組みを知って備える方がずっと気持ちが楽になります。独立前のお金の備えについてはフリーランスになる前に整えたい「お金の備え」4つにもまとめていますので、あわせて読んでみてください。独立準備そのものを見直したい方はフリーランス独立で後悔しない準備|40代がやるべき5つのことも参考にしてください。
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